児童発達支援事業を開業する際に必要になる資格や条件について解説!
これから児童発達支援事業を始めようと考えている人に、今回の記事はおすすめです。個人事業主では運営できないことや、さまざまな基準が設けられていることなどを開業前に知っておくことで、スムーズに準備を進められます。医療分野に特化した人材の確保も必要なので、先行的に準備しましょう。
法人格
個人事業主として運営できません。しかし、必ずしも株式会社である必要はありません。合同会社やNPO法人などでも問題ありません。
法人格が必要
運営するためには、株式会社や合同会社などの法人格が必要です。すでに法人格があるときは、事業目的を変更します。現在の事業目的で運営できないので気を付けてください。
法人を設立するまでの流れ
法人の設立または事業目的を変更するまでの流れを紹介します。いくつか準備しなければいけないことがあるので、時間的な余裕をもって先行的に準備を進めていく必要があります。
まず、事業の開始時期を決定します。こちらの時期が曖昧だと、準備が順調に進まない可能性があります。可能であれば明確に定めるようにしましょう。事業の開始時期から逆算して準備を進めます。
次に、周辺地域を調査します。サービスを必要としない地域に開業しても集客は見込めません。ただし、競合が多い場合や自社のサービスと類似している他社が存在している場合は、慎重に地域を調査したほうがよいでしょう。周辺地域を調査して問題がなければ決定します。
そして、事業計画書を作成します。こちらは事業者指定を受けるために必要なので丁寧に作成します。数年後の売上予測は立てにくいかもしれませんが、事業所の規模がある程度大きくなっていることを想定して作成するか、事業所の規模にさほど変化がなくても安定した経営をしているかによって売上は変化します。自分が考えている未来像を事業計画書に反映させましょう。
最後に法人を設立します。すでに法人格がある場合は事業目的を変更します。
法人の設立から開業までの流れ
まず、行政と事前協議を行います。法律を遵守できているか、準備段階で問題を抱えていないかの確認を受けます。次に、資金調達を行います。事業計画書を金融機関に提出して融資を受けます。自治体の補助金制度を活用する場合は、自治体のフォーマットが指定されている場合があるので指示に従うようにします。
そして、施設を工事します。実績があるリフォーム業者を選択しましょう。施設の工事と並行して人材を募集します。未経験者だけではなく有資格者も確保する必要があるので、早い段階でオンラインとオフラインで人材を確保します。さらに、指定事業者の申請を行い、問題がなければ指定されます。
最後に、施設が法律などに違反していないか調査を受けて問題なければ開業できます。
人員に関する基準
人員に関する基準は定められているので遵守するようにします。
児童発達支援センター以外の事業所
管理者は常勤1名、児童発達支援管理責任者は常勤1名以上、保育士または保育員は常勤1名以上、必要に応じて機能訓練担当職員となっています。なお、機能訓練を実施する場合は理学療法士や作業療法士を配置しますが、必要がなければ配置する必要はありません。
児童発達支援センター
嘱託医は1名以上、児童指導員および保育士、管理士および調理師はそれぞれ1名以上となっています。なお、児童指導員および保育士の人数は、障害児の数を4で割った人数以上を確保します。
主として難聴児が通う事業所
4人以上の言語聴覚士と必要数の機能訓練担当職員を配置します。
主として重症心身障害児が通う事業所
1名以上の看護師、1名以上の機能訓練担当職員を配置します。
施設・設備に関する基準
開業準備では備品などの準備に時間と労力を割かれます。初年度黒字化するのは難しいので、必要なものは購入しますが、それ以外はリースにするなど上手に資金を活用しましょう。
設備に具体的な基準が設けられている
医務室や相談室などの広さや定員数は定められているので、基準を満たさなければいけません。設備や備品も必要になるので、開業準備でそろえるようにします。
運営に関する基準
細部まで基準が設けられています。専門的な業務を行う必要があるので、専門分野の業務に不安がある場合は早期に人材を確保しましょう。
運営に具体的な基準が設けられている
苦情受付窓口を設けなくてはいけません。また、利用人数も決められています。医療機関との連携の基準も定められているので、開業準備では人材を確保するだけではなく、できるだけ早期に医療分野に特化した人材を確保して、医療機関との連携を進めるためのサポートをしてもらうとよいでしょう。
なお、管理者が医療分野に特化していればこの限りではありません。
まとめ
運営するためには、それぞれ基準が設けられているのでそれに従うようにします。また、開業準備に多くの時間と労力を割く必要があるので、開業時期を決定した後は逆算して準備を進めていきましょう。
とくに人材の確保は重要です。可能であれば、オープニングスタッフを募集して管理者以外でも対応できる業務は任せましょう。管理者は、資金調達や採用希望者の面接対応などの業務があるからです。